庭を通して繋がる暮らしを大切にして

きっかけはシロアリ被害!
建替え前の家は昭和47年に建てられたもので、20数年前に中古で購入して住んでいました。入居時に行った床の張替えを含め、リフォームは計3回行いました。経年劣化で必要になった箇所はそれなりに費用をかけて手を入れていました。お庭や外回りも友人に協力してもらいながら自分たちで好みの家にしていましたから、愛着もあって建替えるという考えはありませんでした。4度目もリフォームの計画でこれまでお願いしてきた大工さんと話を進めていましたが、ちょうどその頃に家族の病気が判明し、延期になってしまいました。その後、しばらくは家のことを考える気持ちにはなれず、リフォームは保留のままでした。
一度保留にしていたリフォームが再燃したきっかけは、雨戸の戸袋でネズミが毛繕いをしているところを見てしまったことです(笑)。ネズミが頻繁に家の中へ出入りするのになかなか侵入経路が見つからず、途方に暮れていたところ戸袋からの経路が発覚。侵入口を塞ごうと戸袋を壊すと今度はシロアリ被害が見つかりました。家のことから離れていた気持ちがネズミやシロアリの被害によって動かされることになりました。友人からの誘いもあり、これまでの大工さんだけでなく、新しいところも含めて再検討することになりました。

壊すのは勿体ない?!
まるごとリフォームは思いの外費用がかかる。引越しは妻が賛成しない。そうなると建替える方向で検討することになるが、30坪に満たない土地では大きな家は建てられない。こんな事情からローコストで小さな家を建ててくれるところをインターネットで探していました。小さな建売風の家も見に行きましたが、どうも感覚が合わない。もともと隙間だらけの漆喰塗りの家に住んでいましたから、呼吸ができる家が良かったんです。ウッドシップさんに出会ったのはその頃でした。無垢の木を使った家づくりが気に入り、工事中の家を見せてもらい話を聞いたのが最初でした。酒井さんがすぐに古家を見に来てくれたんですが、最初に言ったことは「壊すのは勿体ないですね、このままがいいんじゃないですか?」でした(笑)。
外も中も繋がることは気にならない
以前の家は自分たちでも手を入れてきたので間取りについても特に不満はありませんでした。ただ古い家でしたから断熱もなく床下も土の状態で、ネズミやシロアリもウェルカムな家だった訳です。
新しい家は大きな間取りは変えず、庭や外とのつながりを意識して家のあちこちから緑が眺められるよう計画してもらえました。植物が好きで、庭を通して外と繋がる暮らしを大切にしていましたから、以前の庭木をできるだけ残してもらえたことはとても嬉しかったです。個人差はあると思いますが、私たちは家の中も外も壁や塀で隔てず、緩やかに繋がって暮らすことが気になりません。中は2階の1部屋を除き、すべての空間がオープンに繋がる家ですが、気にならず暮らせています。オープンなのに熱効率がいいのも嬉しいですね。建替中の仮住まいでは床暖房の光熱費が結構かかっていましたから。断熱が良くなったことで冬の家の中での服装も変わり、安眠できるようになりました。以前は寒くて体が緊張していたんだと住み始めてから感じています。
吹抜けで延床面積は減りましたが、上下の空間のつながりで視線が抜け以前より明るく、広く感じています。日中は鳥籠から出しているオカメインコも、自由に飛び回り運動能力が上がりました(笑)。
メンテナンスフリーは精神的にも楽になる
古い家のリフォームは、主に経年劣化を修復するメンテナンスで、家自体の性能の根本的な改善にはなりません。狭い住宅地で外壁や屋根のメンテナンスを行うことは近隣への気遣いも必要です。ウッドシップさんでは耐久性の高いガルバリウムの外壁を使っていますが、こういったメンテナンスフリーの素材はメンテナンスコストが良いだけでなく、近隣への負担もなくしてくれて、精神的にも楽になります。古家のリフォーム経験からも感じますが、年を取ると特にそう感じますね。

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